イオン化法として
1.電子衝撃(EI) 加速電子を用いる
2.化学イオン化法(CI) 電子衝撃で生成した試薬ガスの一次イオンがイオン分子反応で2次イオンを生じ、これが気相の試料分子と反応。
3.高速原子衝撃(FAB)
4.プラズマ(ICP)
5.レーザー脱離
特にEIとCIはガスクロマトグラフとの直接結合が可能。
単収束磁場偏向型質量分析計の原理
質量m、電荷zのイオンが電場で加速され、v(cm/s)となる。加速電圧
Vでイオンの運動エネルギーは1/2mv2=zV
イオンは運動方向に垂直方向の磁場H(esu)に入り、イオンは半径rの円弧を 描く。イオンの遠心力mv2/rと磁力Hzvが釣り合うことで
mv2/r=Hzv
m/z=r2H2/2Vとなる。
Hを一定にしてVを変える、もしくはVを一定しにしてHを変えることでrを一定にできる。
四重極型質量分析計の原理
重い磁石を必要とせず、小型軽量で真空度も10-4mmhg程度でよいが、
分解能が低いのが難点である。
図に示すように相対する電極を対とする四本の電極に正負の直流電圧Uと交流電圧Vを重畳させU/Vを一定にしてU(V)を変化させると条件にかなったm/zのイオンだけが通過することを利用して質量分析を行っている。
一般の環境測定でよく用いられている質量分析計である。
イオントラップ型質量分析計の原理
図で示すような双曲面の3つの電極(リング電極)と2つのエンドキャップ電極で四重極と同様の電場をつくる。ionを放物線状の空間に閉じこめることができる。イオン化された試料はこの空間にトラップされ、rfの電圧を上げることでm/zの小さいものから順に取り出していく。
特徴として
イオンの濃縮により高感度微量分析が可能となる。
妨害成分を空間内から追い出すことで高いS/N比が得られる。
試薬イオンを系内にとどめてCIを高効率で行える。
親イオンをトラップし、そこに衝突解離を起こさせて生じる娘イオンを測定するMS−MSも可能。
ダイオキシンを除く環境ホルモン類はガスクロマトグラフと四重極型質量分析計やイオントラップ型質量分析計を組み合わせて測定される。
GCーMS等の分析機器の測定前の分離,濃縮等の前処理が必須である。また ビスフェノールAやフタル酸エステル等の分析では容器,試薬,水,大気等からの 汚染に十分注意しないとブランクが大きくなって正確な定量は不可能。
二重収束型質量分析計の原理
単収束型を二つ組み合わせた方式で高分解能(小数点以下4桁)が特徴である。
ダイオキシン類の分析には多くの異性体を定量する必要性からこの二重収束型質量分析計を必要とする。