1. 濃度の表し方
2. 原子量・分子量・モル
3. 接頭語
4. 原子量とその測定
5. 物質量 mol 6. 単位の話
7. 足の長い国、短い国?
8. メ−トル法
9. メ−トル
10. キログラム
11. 秒

濃度の単位と精度について


%  1/100
‰  1/1000
ppm (parts per million)  100万分の1
ppb (parts per billion)  10億分の1
ppt (perts per trillion)  1兆分の1
ppq (parts per quadrillion) 1京分の1

SI単位の接頭語

a(アト  10-18)、f(フェムト 10-15)、P(ピコ  10-12) n(ナノ  10-9 )、μ(マイクロ 10-6 )、m(ミリ  10-3 ) c(センチ 10-2 )、d(デシ   10-1 )、da(デカ 101 ) k(キロ  103 )、M(メガ   106 )、G(ギガ  109 ) T(テラ  1012 )、P(ペタ   1015 )、E(エクサ 1018
1000pgは1ngと同じ量ですが、受ける感じはかなり異なると思います。

分析精度に関する用語

ISOガイド30(1992)JISK0211(1987)分析化学用語JISZ8103(1984)計測用語ISO5725(1992) JISZ8402(1991)ぶんせき・試験の許容差通則
ばらつきの程度Precision精度,Precision精密さ、Precision精度、Precision
偏りの程度 正確さ、Accuracy正確さ、Accuracy真度、Trueness
両者の総合概念Accuracy 精度、Overall accuracy正確さ、Accuracy

検出限界(limit of detection)

対象元素を検出できる最小量
ノイズ(N)のk倍の信号(S)を与える濃度。kは2〜3

定量限界(limit of determination)

その分析方法で十分信頼性をもって検出することのできる被分析物の最小濃度
一般に検出限界の2倍から10倍
バックグラウンドノイズの標準偏差の10倍(10σ)とすることもある。

原子量・分子量・モル

「質量と重さ」  メ−トル法は国際的には1875年に締結され、日本は1885年に加入した訳で 加入後100年以上の歴史があります。 このメ−トル条約には最高機関として国際度量衡総会があります。 1960年この総会で国際単位系(SI単位)が採択されました。 基本単位としてメ−トルm、キログラムkg、カンデラcd、秒s、アンペアA ケルビンK,物質量molが決められています。

この中で化学で特に関わりの大きい単位は質量の単位kgと物質量mol ではないかと思います。 質量の単位は当然kgで、唯一、国際原器がその基準になっています。 かつてはメ−トル法の名の由来にもなった一番由緒正しいメ−トル原器もいまや 秒sで表される単位に位が下がり(1mとは1秒の1/299792458の時間に光が 真空中を伝わる行程の長さ)kgと共に秒のsがその主役となっています。

 さて、この由緒正しい《質量》ですが《重さ》と良く混同して使われています。 重さ(重量)は地球上で物体に作用する重力の大きさをいい、その場所の 重力の加速度gの大きさにより変化するわけです。 しかし通常は質量の測定に天秤を使って重量による測定をするわけでここら あたりに混同の元があると思います。 月では重量は約1/6になりますが天秤による質量の測定は正しく行われます。 補足ですが、力の単位はSIではニュ−トンN、でN=kg・m・s-2 圧力の単位は単位面積(1m2)にかかる力の単位で表現するわけで これをパスカルPaと呼びます。圧力の単位はこのパスカルが正統で barとか気圧、mmHg、kgf/cm2・・は今や正統な単位ではなくなりつつ あります。 お天気のミリバ−ル(mb)も最近はヘクトパスカル(hPa)hは102だ。

原子量とその測定

化学の本には原子量の文字がよくでてきますが、あとで出てくるメンデレ−フが周期律 を作ったさい水素の原子量を1とし、原子量の順に元素を並べると規則的に元素の性質 が変化することを見いだしました。 現在は12Cの相対質量を12と定めています。 ただ各元素に同位体(陽子の数が等しく中性子の数が異なる元素)があり、 例えば炭素では安定な炭素として12Cの他に13Cが1.11%存在するので 天然の炭素Cの原子量は12.011となります。 この原子量は化学的には例えば酸素や原子量が既知の元素と他の元素との結合量を 測定する方法がありますが現在は《質量分析器》によって測定されています。

物質量 mol

化学を勉強したら必ず出てくる単位にモルがあります。まず定義を述べておきます。 モルの定義とはとは「0.012kgの12Cに含まれる原子と同数の構成要素 (原子・分子・イオン電子・・)を含む系の物質量を1molとする」です。 ここで問題になるのは「0.012kgの12Cに含まれる原子と同数」のところでしょう。この数は一般的にはアボガドロ数と呼ばれている数です。この数は測定により得られており 6.0221367x1023 mol-1なる値が現在得られています。 話は少し離れますが化学では体積の単位としてl(リットル)が用いられてきましたが SIでは当然m3が基本で接頭語のd(デシ)を使って1l(リットル)=1dm3と 表しています。濃度で従来1 mol/lと表していたのは1 mol・dm-3となります。

単位の話

自然科学では当然の事ですが単位は測定の基準となる大切な指標です。 また経済活動においても大変重要であるのは当然の事です。

SI単位(Le System International d’Unites) のSとIをとって名付けられていますが、メ−トル法の正統の流れをいく単位系です。

足の長い国、短い国?

18世紀ヨ−ロッパではフ−ト(foot)が単位として使われ(1foot=12inches) ていたのですが地方によりその長さはまちまちでした。 さて18世紀の各地のフ−トを表にしますと

  m
0.5|
    |                 *
    |                 *
   |                 *
0.4|                 *
    |                 *                            *
     |                 *                   *       *
    |           *     *       *           * *     * *  *
0.3|        * *    *    *          * *  * * *
    |   * * * * * *    * * * * * * * * * *
     |     * * * * * * * * * * * * * * * * *
    | * * * * * * * * * * * * * * * * * *
0.2| * * * * * * * * * * * * * * * * * *
    | * * * * * * * * * * * * * * * * * *
    | * * * * * * * * * * * * * * * * * *
     | * * * * * * * * * * * * * * * * * *
0.1| * * * * * * * * * * * * * * * * * *
   | * * * * * * * * * * * * * * * * * *
    | * * * * * * * * * * * * * * * * * *
    | * * * * * * * * * * * * * * * * * *
0      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
         1  2  3  4  5  6  7  8  9  10 11 12 13 14 15 16 17 18      @ A B C D E F G H I J K L M N O P Q

(1)ポルトガル A(2)スペイン B(3)ロンドン C(4)パリ D(5)ベルギ−
(6)ジュネ−ブ  F(7)オランダ G(8)ダルムシュタット H(9)ルツェルン
(10)フランクルルトJ(11)ハンブルグ K(12)ブラウンシュワイク L(13)ベネチア
(14)デンマ−ク N(15)ドレスデンO(16)プロシア P(17)グダニスク
(18)ハンガリ−

1フ−トはジュネ−ブの48cmからポルトガルの22〜23cmと 倍くらいの差があった訳です。 footはくるぶしから下の長さを基準にしているのですから短足国と長足国 が有ったんでしょうね。 標準的には現在の30.48cmに近い値といえます。

メ−トル法

 メ−トル法の歴史はフランス革命の制度改革の一環として国際度量衡制度の制定が 1790年に提案されてから始まったといえます。 ラグランジェを長としてラボアジェやボルタといった大科学者が作業を担当しました。

メ−トル

 メ−トル法の名のメ−トルはドランブルとメシェンが6年余を費やしてスペインの バルセロナとダンケルクを結ぶ経線に沿っておよそ1100kmを測り、地球子午線を 算出、その4000千万分の1を長さの基準にして「アルシ−ブのメ−トル尺」を 作りました。約80年後の1875年、国際メ−トル法条約が結ばれたときこの 「アルシ−ブのメ−トル尺」を基に「国際メ−トル原器」(Pt90%、Ir10%) が作られました。 この時日本にはNo.22の原器が入りました。 1960年には86Krの原子スペクトルを基準としてメ−トルを定義、相対誤差 が±4x10-9以下とされました。最近のレ−ザ−研究の成果として真空中の 光の速さを正確に測定できるようになったため1983年1秒の1/299792458の 時間に光が真空中を伝わる行程の長さと改められた訳です。 これによりメ−トルの測定誤差は時間の測定誤差(安定性)1x10-13程度 となりました。

キログラム

 さて質量の基準には水が選ばれ、ラボアジェら暫定的なメ−トルに基づき1dm 立方の最大密度(約4℃)の蒸留水の質量測定を行いました。これが最初の1kgです。ラボアジェは王政時代に徴税請負人・火薬監督官等の職に就いていたため皮肉にも フランス革命の政治犯とされ獄中から実験室に通って測定を行い、測定修了とともに その命を断頭台で終えたのです。  その後正式に1mが制定され、再測定の結果、正確な値が得られ、それに基づき 白金製の円柱形の原器が1799年に製作された(古文書保存所)。 その後1889年白金90%、Ir10%の安定な合金製原器が複数個製作され No.3原器が国際キログラム原器として選ばれ現在に至っています。 日本にはNo.6の原器があります。 国際原器の質量の変化は10-7以下、0.1mg以内である。

 昔の時間のことはさておき近代的には(といっても1956年以前)では平均太陽日 の8万6400分の1でした。 1956年に秒は明治32年12月31日午後9時における地球の公転の平均角速度 に基づいて算定した1太陽年の31556925.9747分の1で定義され 1967年に「秒はセシウム133の原子の基底状態の2つの超微細構造の2つの 超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍に等しい時間」と されました。

 SIとは直接関わりありませんが「時刻」について 時間とは「時(時刻)」と「時」の間を意味して単位として秒が決められていますが 「時刻」はどのようにして決めるのか? これは学術的には「国際原子時」とよばれ1958年1月1日0時0分0秒を 国際原子時(TAI)の原点1958年1月1日0時0分0秒として決めています。 国際原子時はセシウムから測定される正確な時刻となりますが、実生活では地球自転動きを考慮し、協定世界時(UTC)が実生活での時刻の標準となっています。 世界時との差が大きくなるとうるう秒を挿入して調整をしています。 1990年1月1日でのUTCとTAIとの差は−25秒となっています。

 最近の腕時計の精度は非常に良好で私の腕時計を参考に紹介しますと 年差10秒以内となっています。1年に10秒以内というのはかなりの高精度 ですがそれほど高価ではありません。時計の説明書にうるう秒の挿入による誤差の 説明があり、場合によってうるう秒の挿入がわかるようです。 最近ブ−ムになっているロレックス等の機械式腕時計はうん十万以上の高級品でも1日数秒以上の誤差があるわけですから2桁以上精度が劣ります。 価格は数倍から10倍程度もするのに面白いですね。  標準時の電波を受け取って、絶えず校正をしながら時を刻む時計も売り出されて います。10万年に1秒の誤差だと宣伝には書いていました。