定量分析の為の関係線(検量線法、標準添加法および内標準法)
検量線の作成:濃度が既知の試料溶液を予め調整し、その標準溶液列を用いて吸光度と濃度との関係線を作成する。
濃度と測定強度との関係線には検量線法(絶対検量線法)、標準添加法、内標準法等がある。
検量線法(絶対検量線法):既知の濃度の標準試料を用いて目的物質の濃度と測定強度との関係線を作成し、未知試料を同様に処理して得られた測定強度から未知の濃度を求めることで濃度を得る(定量を行う)。検量線は原点を通る直線になることが多いが、標準添加法ではその原理から原点を通らない。また検量線が直線にならない場合もある。検量線の範囲外の濃度の未知試料が得られた場合検量線の濃度範囲を広げて直線性が成立するかどうかを確認する必要がある。
例:0ppm、1.0ppm、2.0ppm、3.0ppm、4.0ppm、の標準液及びブランク溶液を用意し、標準定量操作にしたがって定量、それぞれの吸光度(Abs)が0,0.15,0.30,0.45,0.60であったとするとAbs=0.15xC(ppm)の直線で表される。未知試料の吸光度を測定し、関係線によって定量を行う。
検量線演習:
亜硝酸イオンをナフチルエチレンジアミン吸光光度法で測定した。検量線作成のための標準溶液を用いて、発色試薬を加えてそれぞれ0, 0.2, 0.4, 0.6, 0.8μgNO2-/mlの濃度になるように調整した。450nmの吸光度を測定すると0, 0.16, 0.32, 0.48, 0.64となった。
濃度が未知の試料を10ml採り、発色試薬を加えて25mlとした後、450nmの吸光度を測定すると0.4であった。検量線を作成し、元の試料中のNO2-濃度を求めよ。
標準添加法:共存物質の影響を受ける系や検量線が直線にならないような場合、未知試料に一定量の既知濃度の標準物質を添加して検量線の系列を作成し、この関係線から未知試料の濃度を定量する。定量予定の目的試料溶液を4個以上の容器に分取し、これに目的成分が既知の溶液を濃度が異なるようにして加え、吸光度と濃度との関係線を作成する。
例:未知試料に濃度が既知の標準試料を、それぞれ濃度が0ppm、0.10ppm、0.20ppm、0.30ppm、0.40ppm、0.50ppmとなるように加える。標準定量操作にしたがって定量、それぞれの吸光度(Abs)が0.15, 0.3, 0.45, 0.6, 0.75であったとするとAbs=0.15xC(ppm)+0.15の直線で表される。この関係式に従って未知試料を定量する。
標準添加法検量線演習:
アンモニウムイオンをインドフェノール青吸光光度法で測定した。濃度が未知の同一試料を5組用意し、発色試薬を加えて、さらに標準試料を加え、加えたNH4+の濃度がそれぞれ0, 0.5, 1, 2, 3μgNH4+/mlの濃度になるように調整した。675nmの吸光度を測定するとそれぞれ0.1, 0.25, 0.45, 0.7, 1.0となった。
元の未知試料中に含まれていたNH4+濃度を求めよ。
内標準法:共存物質の影響を受ける系や検量線が直線にならないような場合、測定物質と似通っていてかつ測定対象外の分離測定可能な内標準物質を検量線作成用の標準試料及び未知試料に添加し、内標準物質と標準試料の測定強度比(標準試料の測定強度/内標準物質測定強度)と濃度との関係線を作成する。未知試料中の測定にも内標準物質を加え、同じく強度比を求めて先に作成した関係線より定量する。縦軸が吸光度やイオン強度のような計測された値そのものではなく、内標準物質のそれとの比となる。
内標準法検量線演習:
フェナントレン(C14H10,MW=178.23)の水素を重水素に置き換えたphenanthren-d10(C14D10)を内標準物質として使用し、ノニルフェノールをGC/MS分析した。phenanthren-d10はm/z=188にイオンピークが現れる。
例:ガスクロマトグラフ質量分析によるノニルフェノールの分析での内標準例及び
関係線
この場合、内標準法による検量線を作成し、定量する手順を説明せよ。