分光器

分光器(spectrometer)は、分光光度計のランプ(タングステンまたは重水素)から発せられる光を波長別に分け、特定の波長からなる単色光を吸収セルに当てるための装置です。。分光器を使わず特定の波長を透過させるフィルターを組み合わせて(切り替え式)を用いることもあります。光を波長別に分けてしまうため、光の検出器(フォトマルチプライヤー、フォトトランジスター等)の単位面積に当たる光の量は少なくなってしまいます。

モノクロメーター
代表的な分光器としてプリズム(Prism)と回折格子について説明します。

プリズム(Prism)

プリズム楔型の断面をもち、周囲の空間(真空もしくは空気)と比べて屈折率の大きな透明な媒質(例えば光学ガラス)でできた、光をスペクトルに分解する装置です。光源ランプから導かれた白色光をプリズムに通すと、下図のような虹の七色(紫藍青緑黄橙赤)にわかれます。これは光の屈折率が波長によって異なるためです.ガラスなど物質の屈折率 n は、光の入射角(incident angle)を i、屈折角(refraction angle)を r とすると、

となります。

回折格子(Grating)


光を分光する方法としてプリズムのほかに回折格子がよく使われています。 この格子は平面回折格子にランプからの平行光線を入射させ、各溝で回折される光波を干渉させることにより特定の波長の光が特定の方向に反射(分散)されるようにしたものです。入射角をα、反射角をβ、干渉次数をm、溝間距離をd、波長をλとした時
光の強め合う条件(入射波と反射波の位相が合う)は: 

回折角の変化の割合:分散角度は 

干渉条件が満たされる方向と、入射光の波長の位相が溝の斜面で鏡面反射する方向とで一致した時、回折格子の光利用効率(回折効率)が最大となり、その波長の光のみが取り出せる。

  
X線による結晶構造の解析:Max von Laueによる有名なラウエの斑点ではX線が0.1nm(100pm)程度の波長をもつことからラウエは原子が0.3nm(300pm)程度の距離で規則正しく並んでいる結晶なら回折効果を示す事を指摘した。W. Frielichがこの実験を行い、硫酸銅結晶で回折像を得た。蛍光X線分析で用いられるLiF(200)ならd=0.40273nmの間隔を持つ分光器がよく使用されている。

500nm前後の波長をもつ可視光ならd=1000nm(1μm)程度の間隔の溝を持った反射板を使用すれば光の分光を行うことができる。